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河内城(茨城県常陸大宮市) [古城めぐり(茨城)]

IMG_5948.JPG←堀切を隔てて向き合う虎口郭
 河内城は、鳥子城とも呼ばれ、佐竹氏の家臣江戸氏の居城である。文明年間(1469~86年)に、水戸城主江戸通房の子通治がこの地に入部して鳥子隠岐守を称し(鳥子江戸氏)、河内城を築いた。宗家の江戸氏は佐竹氏と度々争ったが、鳥子江戸氏は早くから佐竹氏に属してこの地を領した。1602年、江戸通家が城主の時に佐竹義宣が秋田に移封となり、通家もこれに従ってこの地を去り、河内城は廃城となった。

 河内城は、国道293号線の北側の比高50m程の丘陵上に築かれている。中心最上部に主郭があり、その前後にニノ郭・三ノ郭があり、ニノ郭の手前には更に数段の段曲輪群を連ね、ニノ郭・主郭・三ノ郭の側方に帯曲輪を廻らした、比較的素朴な縄張りの城である。ニノ郭と主郭の間は、主郭から見て左手だけに片堀切が穿たれている。また主郭背後には三ノ郭と分断する堀切が穿たれ、三ノ郭背後にも堀切があって城域が終わっている。この城で特徴的なのは、主郭の大手と搦手に築かれた側方の虎口郭で、それぞれ堀切を隔てて向かいの曲輪の虎口と対向した形となっている。いずれも低い曲輪の側は小さな土壇となっており、木橋で連結していた可能性が大きい。土壇は木橋の橋台であろう。この様なはっきりした木橋の痕跡が、前述の通り少なくとも2ヶ所は見られる。ニノ郭に稲荷神社があるため、参道が整備されており、簡単に登ることのできる小城砦であるが、こうした虎口の遺構は珍しく、希少性がある。

 お城評価(満点=五つ星):☆☆☆
 場所:http://maps.gsi.go.jp/#16/36.660777/140.251079/&base=std&ls=std&disp=1&lcd=gazo1&vs=c1j0l0u0f0
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