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高沢向楯(茨城県常陸大宮市) [古城めぐり(茨城)]

IMG_5992.JPG←横堀型腰曲輪(塹壕)
 高沢向楯(高沢向館)は、高沢城の出城である。この付近の城には、出城である向館(向楯)が本城とセットになった城が多く、高沢向楯もそうした城砦の一つである。
 高沢向楯は、高沢城の北北西470mの位置にある比高60m程の山稜先端部に築かれている。小規模ではあるが遺構は明瞭であり、山頂の円形の主郭の周囲に腰曲輪を廻らし、北側にも2段程の腰曲輪、また東側と南東側には横堀型腰曲輪(塹壕)を築いて山麓からの敵兵の接近を防御している。横堀の側方は、虎口を兼ねたと思われる竪堀が落ちている。一方、主郭背後は小規模な曲輪と尾根筋を分断する堀切が交互に連なり、堀切は全部で3つ築かれているが、1本目以外は小規模である。簡素な城砦だが、高沢城西方からの那須氏の侵攻に備えたものと推測される。

 お城評価(満点=五つ星):☆☆
 場所:http://maps.gsi.go.jp/#16/36.667249/140.237732/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0l0u0f0

※東北地方と茨城北部では、堀切や畝状竪堀などで防御された完全な山城も「館」と呼ばれますが、関東その他の地方で所謂「館」と称される平地の居館と趣が異なるため、両者を区別する都合上、当ブログでは山城については「楯」の呼称を採用しています。
タグ:中世山城
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