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滝浜楯(宮城県南三陸町) [古城めぐり(宮城)]

IMG_3708.JPG←西斜面の竪堀
 滝浜楯(滝浜館)は、若宮館とも呼ばれ、歴史不詳の城である。『旭ヶ浦物語』には、平民貞綱の館で1577年に落城すると出家したとの伝承が載っているらしいが、確証はない。

 滝浜楯は、滝浜集落の北西に突き出した標高56mの岬に築かれた城である。城の南に電波塔があり、南東の畑脇から小道が付いているが、電波塔の先は藪をかき分けて進むしか無い。北に主郭、その南に一段低く二ノ郭を置き、外周に数段の腰曲輪を廻らしただけの、簡素な構造の城である。主郭・二ノ郭ともにほぼ全域が大藪に覆われており、進入は困難である。腰曲輪の方が藪が少ないので、腰曲輪を伝って外周を巡ると、主郭の付け根の東西斜面に落ちる比較的大きな竪堀が確認できる。いずれも東西の斜面に築かれた腰曲輪群を貫通して長く落ちている。また主郭北東角には隅櫓台らしい土壇が残っており、祠が祀られている。遺構はこの程度で、東西の竪堀だけが異彩を放つ城である。
主郭周囲の腰曲輪→IMG_3680.JPG

 お城評価(満点=五つ星):☆☆
 場所:http://maps.gsi.go.jp/#16/38.643573/141.489100/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0l0u0t0z0r0f0

※東北地方では、堀切や畝状竪堀などで防御された完全な山城も「館」と呼ばれますが、関東その他の地方で所謂「館」と称される平地の居館と趣が異なるため、両者を区別する都合上、当ブログでは山城については「楯」の呼称を採用しています。
タグ:中世山城
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