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水沼楯(宮城県石巻市) [古城めぐり(宮城)]

IMG_4025.JPG←主郭前面の虎口兼用の堀切
 水沼楯(水沼館)は、歴史不詳の城である。一説には水沼上野という武士の居城であったとも言われるが、確証はない。

 水沼楯は、上品山の支尾根が南東に張り出した、比高50m程の丘陵上に築かれている。『日本城郭大系』の縄張図では一つ北の丘陵地にある様に記載しているが、位置が間違っている。宮城県の遺跡地図の記載が正である。城に行くには、主郭のあるピークの北東にある谷戸に登り道が付いており、そこから到達できる。非常に綺麗に整形された城で、縦長の広やかな主郭の東西に2段ずつ腰曲輪が築かれ、主郭背後には堀切を介して小さな二ノ郭があり、更に堀切が穿たれている。主郭前面に当たる南側にも、前衛郭群が数段築かれている。この城では面白いことに、主郭の前面と主郭後部に穿たれた浅い堀切が腰曲輪への虎口を兼ねており、城内通路として使われている。前衛郭群には、堀切と独立堡塁が築かれて南の大手筋を防衛している。この他、北尾根の鞍部には湧水があり、どうも水の手曲輪であった様だ。水沼楯は、主郭内部と東側の腰曲輪は藪が多いが、それ以外は藪が少なく、遺構が綺麗に見渡せる。特に西側の腰曲輪は見通しが良く、主郭切岸など美しい姿を見せており、登城も楽でお勧めである。
腰曲輪と主郭切岸→IMG_4001.JPG

 お城評価(満点=五つ星):☆☆☆
 場所:http://maps.gsi.go.jp/#16/38.485744/141.373401/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0l0u0t0z0r0f0

※東北地方では、堀切や畝状竪堀などで防御された完全な山城も「館」と呼ばれますが、関東その他の地方で所謂「館」と称される平地の居館と趣が異なるため、両者を区別する都合上、当ブログでは山城については「楯」の呼称を採用しています。
タグ:中世山城
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