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西勝寺城(富山県南砺市) [古城めぐり(富山)]

DSCN8811.JPG←主郭~北郭間の堀切
(2020年11月訪城)
 西勝寺城は、戦国時代に越中石黒氏の宗家石黒太郎光秀の居城と伝えられる。また光秀の弟五郎光信が福光城、光秀の次男石黒宗五郎が山本城を居城としたと言う。しかし石黒氏の戦国期の事績には混乱が多く、詳細は不明である。

 西勝寺城は、桑山から東方に伸びる尾根先端の標高160m、比高80mの山上に築かれている。くの字に折れ曲がった尾根に配列された3つの曲輪で構成されている。主郭は中央の曲輪で、周囲に腰曲輪1段を伴っている。主郭の南には堀切を挟んで二ノ郭がある。二ノ郭の先には腰曲輪があり、その先はそのままなだらかな尾根となっている。一方、主郭の北側には大きな谷地形を利用した堀切がある。この堀切の西にはL字型の土塁で防御した虎口、東にも竪土塁で構築した木戸口がある。堀切の上には北郭がそびえている。北郭は東西を堀切で区画し、東側の堀切はそのまま横堀・腰曲輪と変化して南に伸びている。北郭の西には堀切を挟んで尾根が続いているが、外郭があったらしく、ここにも平場と竪堀状虎口などが見られる。この他、主郭の西側下方には横堀の様な切通しの道があり、古道が通っていたらしい。どうも古道を監視する役目も果たしていた城だった様である。
 西勝寺城は、小規模な城であり、あまり技巧的な構造も見られない。また主郭・二ノ郭は薮が多いのも残念である。但し、城のすぐ脇に林道が通っているので、訪城は容易である。

 お城評価(満点=五つ星):☆☆☆
 場所:https://maps.gsi.go.jp/#16/36.577266/136.864275/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1


越中中世城郭図面集〈3〉西部(氷見市・高岡市・小矢部市・礪波市・南礪市)・補遺編

越中中世城郭図面集〈3〉西部(氷見市・高岡市・小矢部市・礪波市・南礪市)・補遺編

  • 作者: 佐伯 哲也
  • 出版社/メーカー: 桂書房
  • 発売日: 2021/05/05
  • メディア: 大型本


タグ:中世山城
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