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小塙館(栃木県那須烏山市) [古城めぐり(栃木)]

DSCN8522.JPG←西側の水堀・土塁
 小塙館は、小塙陣屋・森田陣屋とも呼ばれ、大田原城主大田原綱清の次男出雲守増清が築いた陣屋である。1600年の関ヶ原合戦の際、大田原晴清・増清兄弟は上杉景勝軍の南下に備えるために徳川家康が派遣した諸将の指揮下で大田原城の防衛に当たった。戦後の論功行賞で増清は森田氏の旧領1500石を与えられ小塙館を築いた。以後、森田大田原氏(交代寄合旗本)10代の居館となって幕末まで存続した。

 小塙館は、荒川曲流部の南岸に築かれている。近世の陣屋なので、方形の縄張りを想像するところだが、小塙館は西側に向かってすぼまった、不整形な外形となっている。『栃木県の中世城館跡』の縄張図と、昭和20年代前半の航空写真を見ると、西側に二重の土塁を築き、北辺と西辺にも土塁を設け、東西と南に水堀を巡らしていたらしい。しかし昭和50年代に館跡を東西に貫通する市道が建設され、それに伴って遺構の一部が破壊を受けた。その後、主郭跡に集会所が建てられ、また耕地化に伴って西の内側の土塁が湮滅してしまっている。しかし辛うじて、西の外側の土塁と水堀が残り、また北辺と東辺にも土塁が残っている。東側の水堀は、元々天然の沢を利用したものであったらしく、今でも薮の中に深い沢がある。館の南辺は、耕地化による改変で塁線が追えなくなってしまっている。全体の半分ほどの遺構が湮滅してしまったのは残念だが、残った遺構だけでも後世に残してほしいものである。
北辺の土塁→DSCN8537.JPG

 お城評価(満点=五つ星):☆☆
 場所:https://maps.gsi.go.jp/#16/36.643553/140.120766/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1


栃木県の歴史散歩

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タグ:陣屋
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