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大将古家要害(栃木県那須烏山市) [古城めぐり(栃木)]

DSCN8499.JPG←山頂の主郭
 大将古家要害は、歴史不詳の城である。那須氏が佐竹氏の侵攻に備えて臨時的に築いた城砦と推測されている。尚、大将古家の名は、文治年間(1185~90年)に源頼朝が奥州合戦に出陣した際にここに陣を構えたという伝承によるらしいが、もとよりただの伝説である。

 大将古家要害は、標高303.2mの山上に築かれている。国土地理院の1/25000地形図には西麓からの登道が記載されており、車道脇の登り口にはちゃんと「大将古家」という表示も出ているが、このルートは途中から倒木がひどく、完全なジャングルジム状態になる上、尾根近くになると道が消失してしまうので、踏査は困難である。こんな荒れた道を帰りに使いたくなかったので、帰りは北西尾根を降って高館城を経由するルートで降ったが、このルートも途中に急峻な岩塊があり、一筋縄では行かないルートだった。そんなわけで、大将古家要害を目指す人は、十分な装備と時間と覚悟を持って臨んだ方が良い。

 大将古家要害は、三角点のある山頂部に主郭を置いていたと見られるが、曲輪の加工度が低く、ほとんど自然地形に近い。ただ元からなのか、かなり平坦な地形である。一方で、西側斜面の下方には明瞭な腰曲輪が確認できる。確認できる遺構はこの程度である。
 大将古屋要害は、遺構は大したものではないが、高館城・高館上の城を北西に展開している配置から考えて、これらの城砦群の司令塔として、佐竹勢の侵攻に備えた陣城であったものと推測される。
西斜面の腰曲輪→DSCN8512.JPG

 お城評価(満点=五つ星):☆☆
 場所:https://maps.gsi.go.jp/#16/36.616173/140.186512/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1


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タグ:中世山城
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