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五葉館(岩手県金ケ崎町) [古城めぐり(岩手)]

DSCN7819.JPG←西郭西側の屈曲している空堀
 五葉館は、歴史不詳の城館である。発掘調査の結果では五葉館は15世紀中頃から17世紀初頭の館跡と推測されている。尚、戦国時代に胆沢郡を治めた葛西氏の重臣柏山氏の居城大林城が南西2kmの位置にあり、柏山氏と何らかの関連がある可能性もあるだろう。

 五葉館は、黒沢川北岸の段丘崖に沿って築かれている。東西に3郭が空堀を挟んで並んでおり、現地解説板(崖下の黒沢川せせらぎ公園にある)の縄張図では西郭・中郭・東郭としている。西郭が主郭であったと考えられ、西は横矢掛りのクランクを持った空堀が穿たれ、東側は一直線の空堀で中郭との間を区画されている。中郭と東郭の間の空堀は、せせらぎ公園駐車場への入口道路に変貌しているが、改変があるものの往時の雰囲気は感じられる。いずれの曲輪も北辺にあったと思われる空堀は湮滅している。また東郭の東方には、L字型の堀状地形があり、2本の竪堀状の溝が堀側面に落ちている。これも遺構なのかは判然としないが、ちょっと不思議な謎の構造となっている。五葉館は、曲輪間を区画する空堀はよく残っているが、郭内は田畑に変貌しており、北側・東側の城域も判然とせず、少々残念である。
西郭・中郭間の空堀→DSCN7811.JPG

 お城評価(満点=五つ星):☆☆
 場所:https://maps.gsi.go.jp/#16/39.185608/141.099966/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1g1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1


中世城郭の縄張と空間: 土の城が語るもの (城を極める)

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  • 発売日: 2015/02/27
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タグ:中世崖端城
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