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上館(岩手県奥州市) [古城めぐり(岩手)]

DSCN7846.JPG←主郭南西部の塁線と空堀
 上館は、歴史不詳の城館である。中世には無名の在地領主が居住していたと推測されている。

 上館は、胆沢城の北方、胆沢川に臨む段丘北辺部に築かれている。奥州市埋蔵文化財調査センターのHPの解説では、4つの曲輪で構成されているとされるが、現在明確なのは3つの曲輪だけである。いずれもリンゴ園となっているので、許可なく立ち入ることはできない。幸い私は作業中だった老夫婦から立入りの許可を頂いて、遺構を探索できた。ここでは確認できた3つの曲輪を主郭・北郭・西郭と呼称する。それぞれ空堀で区画されており、特に主郭西側と南側には幅広の空堀がよく残っている。主郭は四角形の曲輪で、その北に横長三角形の北郭、西に三角形の西郭がある。北郭の東側の空堀は、主郭北東で主郭周囲の空堀から分岐しており、Y字型になっている。主郭と北郭との間の空堀は、東半分はよく残っているが、西半分は半ば埋められてしまっている。それでも北西の崖付近では堀地形が明瞭である。またここには主郭西側の空堀も落ちてきている。遺構としては以上で、技巧性はないが、中世城館の雰囲気はよく感じられる。
北郭東側の空堀→DSCN7859.JPG

 お城評価(満点=五つ星):☆☆☆
 場所:https://maps.gsi.go.jp/#16/39.186057/141.132324/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1g1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1


蝦夷と城柵の時代 (東北の古代史)

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  • 発売日: 2015/11/27
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タグ:中世崖端城
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