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根子館(岩手県花巻市) [古城めぐり(岩手)]

DSCN8063.JPG←空堀、奥は主郭
 根子館は、上館とも呼ばれ、稗貫氏の重臣根子氏の居館である。根子大和守は、太田の他、根子・湯口・笹間の一部を治めていたが、天正年間(1573~92年)の根子兵庫守の時に下館に移ったと言われている。1590年の豊臣秀吉による奥州仕置で稗貫氏が改易となると、根子氏も没落した。翌年、和賀氏旧臣団と協力して主家再興を企てて一揆を起こしたが、鎮圧された(和賀・稗貫一揆)。1600年、和賀氏旧臣団が岩崎城に立て籠もって挙兵した際、根子氏も岩崎城に立て籠もって戦ったが敗れ、その後の一族の行方は不明となった。

 根子館は、豊沢川南方の段丘北辺部に築かれている。段丘の一部を、基部を空堀で穿って独立させ、平坦にして主郭としている。主郭は広いが、民家裏の農地になっていて、無断で踏査することはできない。空堀の南や西も曲輪と推測されるが、南郭は民家敷地なので確認できる部分は限られる。また西郭は昌歓寺境内となっているが、L字型に空堀が残っている。主郭と昌歓寺の間の切通しの車道も、明らかに空堀跡である。南郭の東には、「宿」地名が残り、根子氏の家臣団居住地であった。確認できる遺構は限られるが、館跡の雰囲気は残っている。また各所に「太田ふるさと案内板」という伝承の解説板が立っているのもありがたい。
昌歓寺境内の空堀→DSCN8042.JPG

 お城評価(満点=五つ星):☆☆
 場所:https://maps.gsi.go.jp/#16/39.378240/141.046804/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1g1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1


東北の名城を歩く 北東北編: 青森・岩手・秋田

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  • 出版社/メーカー: 吉川弘文館
  • 発売日: 2017/10/25
  • メディア: 単行本


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