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妙見寺城 小城(栃木県鹿沼市) [古城めぐり(栃木)]

DSCN2982.JPG←主郭前面の円弧状堀切
 妙見寺城 小城は、HP「新 栃木県の中世城郭」の管理人masakiさんが寄せられた情報を元に現認した城である。「新 栃木県の中世城郭」では「妙見寺333m峰」と呼んでいるが、ここでは長野県によくある城名に倣って、333mの峰に築かれた城を「妙見寺城 小城」、南東の尾根先端部には築かれた別城を「妙見寺城 大城」と呼ぶことにする。

 妙見寺城 小城は、妙見寺の北西にある標高333mの峰に築かれている。東麓近くの大城から尾根伝いに登ってくるのが大手と考えられる。即ち、小城は大城に対する詰城に相当すると考えられる。小城は東西2郭から成り、西が主郭、東が二ノ郭である。主郭・二ノ郭共に外周に帯曲輪1段を廻らしている。二ノ郭の北側の帯曲輪には帯曲輪を分断する竪堀が穿たれている。二ノ郭後部には土塁が築かれ、主郭との間は主郭帯曲輪がそのまま円円弧状堀切となって分断している。主郭帯曲輪は主郭後部でも円弧状横堀となって防御している。この前後が堀切・横堀となり、そのまま帯曲輪と繋がっている形態は、伊釜山城とよく似ている。主郭は東西に長い長円形の曲輪で、後部にわずかに土塁を築いている。郭内はきれいに削平されている。この他、主郭の北西・南西の尾根と、二ノ郭の北東の尾根には、それぞれ小堀切が穿たれている。以上が妙見寺城 小城の遺構で、小さな城ではあるが普請はしっかりしており、重要な役目を負っていたことが伺われる。
 尚、大城、小城を結ぶ尾根の途中に竪堀状の地形があり、masakiさんは木戸跡と推測している。しかし、堀が尾根を斜めに横切り、削り残された尾根が明確な土橋になっておらず広幅なままのため、私は伐採木の搬出路などの跡で、城郭遺構ではないと考えている。
主郭後部の円弧状横堀→DSCN3005.JPG

 お城評価(満点=五つ星):☆☆
 場所:https://maps.gsi.go.jp/#16/36.524372/139.653289/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1g1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1


栃木県の歴史散歩

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タグ:中世山城
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