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下の城(長野県下諏訪町) [古城めぐり(長野)]

DSCN3283.JPG←横堀状の登道
 下の城は、歴史不詳の城である。諏訪大社下社の重要な場所であったことから、下社大祝の金刺氏かその一党によって築かれた可能性がある。尚、この城の北方の山上には上の城があり、両城が一体となって機能していたことが推測される。

 下の城は、下諏訪社中学校の北西の尾根上に築かれている。この尾根の西下を通る車道脇から登道が付いており、それを登っていくとすぐに前衛の段曲輪群が現れる。ここには土塁や竪堀が見られ、登山道はこの中を堀底道のような形で通っている。その上には三ノ郭群が築かれている。三ノ郭群も段状の平場が続き、方形の小型の櫓台や空堀で囲まれた大土塁、竪堀などが見られる。その上方に自然地形の斜面がしばらくあって、その先に主郭群が築かれている。主郭は縦長の曲輪で低土塁を築き、背後に堀切を穿っている。また東側側方には横堀状に登道が通っている。また主郭の南東に伸びる尾根に段曲輪群が築かれている。主郭の後ろには二ノ郭がある。ニノ郭はほとんど自然地形で削平甘いが、後部に土塁囲郭が置かれている。二ノ郭の背後も土橋の架かった堀切が穿たれて、城域が終わっている。現在の登山道は、堀状になっている部分が散見されるので、元々の城道であったらしい。以上が下の城の遺構で、曲輪群は明確であるものの全体的に求心性がやや乏しい縄張りで、縄張りにも古さを感じさせる。武田氏侵入時代の戦国期には、あまり使われなくなっていたように思える。
二ノ郭後部の囲郭→DSCN3154.JPG
DSCN3160.JPG←二ノ郭背後の堀切・土橋

 お城評価(満点=五つ星):☆☆☆
 場所:https://maps.gsi.go.jp/#16/36.091739/138.076515/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1g1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1


信濃の山城と館〈第6巻〉諏訪・下伊那編―縄張図・断面図・鳥瞰図で見る

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  • 作者: 宮坂 武男
  • 出版社/メーカー: 戎光祥出版
  • 発売日: 2013/08/01
  • メディア: 単行本


タグ:中世山城
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