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郷田砦(富山県上市町) [古城めぐり(富山)]

DSCN7785.JPG←土橋
 郷田砦は、弓庄城の至近にある城砦である。築城については3つの説があり、(1)上杉謙信との合戦の際に弓庄城主土肥美作守政繁が出城として築いた(家老の桂田善左衛門が守将)、(2)上杉謙信が弓庄城攻撃の際に向城として築いた、(3)1583年に佐々成政が弓庄土肥氏を攻撃した際の陣城、などである。『日本城郭大系』では、初め土肥氏の出城であったものを、佐々成政が奪って向城として利用したのではないかと推測している。

 郷田砦は、弓庄城の東方600mにある、比高30mの丘陵先端部に築かれている。丘陵基部は鞍部となっており、なかば独立丘陵の体をなしている。鞍部に小道が通り、その脇に墓地があるが、これも往時の曲輪跡と考えられている。城はその北に遺構が残っているが、全域劇薮で踏査は困難を極める。それでも薮をかき分けて進むと、南の主郭虎口には土橋と堀切があるのが辛うじて確認できる。主郭は西辺以外を土塁で囲んでいるようだが、薮が酷すぎてほとんど確認できない。また薮がやや少ない西の腰曲輪を経由して北側に回り込むと、主郭北に坂虎口があるのが確認できた。主郭周囲は、2~3段の腰曲輪で取り巻いている。簡素で小規模な城砦で、いかにも戦時に一時的に築かれた砦という趣である。
主郭切岸と腰曲輪→DSCN7802.JPG

 お城評価(満点=五つ星):☆☆
 場所:https://maps.gsi.go.jp/#16/36.675570/137.368991/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1g1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1


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タグ:陣城
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