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頭川城(富山県高岡市) [古城めぐり(富山)]

DSCN8703.JPG←西端の堀切
 頭川城は、南北朝期に古文書に出てくる城である。『二宮円阿軍忠状』によれば、足利一族の名門斯波高経の重臣であった二宮円阿は、1362年に2代将軍足利義詮と主君高経の命を受け、観応の擾乱以来室町幕府に敵対していた元越中守護桃井直常を討伐する為越中国に出陣した。和田合戦などを転戦した後、約5ヶ月間、和田城(増山城か?)を警固した。1363年3月、和田城において「鴨城衆」を命じられて鴨城に入り、5月12日に鴨城衆と共に「頭高城」を攻略し、焼き払ったと言う。ここで言う「頭高城」が頭川城の事ではないかと考えられている。

 頭川城は、小矢部川西方の比高30m程の丘陵先端部に築かれている。この丘陵上には安居山古墳群があるが、頭川城は方墳をそのまま櫓台に転用するなど、城内にそのまま取り込んでいる。そのため主郭の普請はざっくりしている。主郭の前面には2段の腰曲輪が築かれ、また後部には浅い堀切を挟んで土壇が築かれている。土壇の背後には城域西端を画する深い堀切が穿たれている。城内には里山遊歩道が通っており、東麓から登ることができる。遺構は大したことはないが、南北朝期の城の形態をそのまま留めており、貴重である。
主郭内の古墳→DSCN8688.JPG
DSCN8698.JPG←主郭後部の堀切と土壇

 お城評価(満点=五つ星):☆☆
 場所:https://maps.gsi.go.jp/#16/36.765232/136.964192/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1g1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1


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