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山根館(岩手県九戸村) [古城めぐり(岩手)]

DSCN1145.JPG←西側の空堀
 山根館は、九戸政実の乱の際の九戸城籠城衆に見える山根彦左衛門の居館と言われるが定かではない。乱の平定後、南部氏庶流の矢嶋氏が山根総三郎を名乗って山根館主となったと伝えられる。

 山根館は、山根集落センターのすぐ南の丘陵先端部に築かれている。センター駐車場の山裾に城址標柱と解説板が立っている。北麓の車道脇からかすかな小道があり(わずかな薮の切れ目しかないので入口がわかりにくい)、これを登っていくと館跡に至る。館は、西辺と南西辺をやや鈍角に開いたL字型の空堀で区画している。実は前述の登道は、この空堀に繋がっており、堀底道であったようである。主郭は広いが北東側に向かって傾斜しており、空堀の角部付近だけ土塁を築いている。主郭の前面には数段の腰曲輪が築かれている。この腰曲輪群の一つは、西の空堀に土橋が架かっており、虎口を築いている。この虎口は、虎口郭になっているらしく、ここから下段の曲輪に屈曲した導線で進入するような構造にも見える。横には竪堀状虎口もあるが、草木が多いうえ土塁などの痕跡がわずかなため、構造が少々わかりにくい。腰曲輪は主郭の北東側に円弧状に築かれていて、この中程に搦手の枡形虎口がある。山根館は、空堀・切岸が比較的小さく大した城館ではないが、その一方で枡形虎口など複雑な構造も見られる。ただ全体に未整備で薮が多いので、少々遺構が確認しづらい。
腰曲輪群の切岸→DSCN1121.JPG

 お城評価(満点=五つ星):☆☆
 場所:https://maps.gsi.go.jp/#16/40.182619/141.426852/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1g1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1


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タグ:中世平山城
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