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本田城〔仮称〕(栃木県塩谷町) [古城めぐり(栃木)]

DSCN0257.JPG←主郭
 本田城は、栃木県のCS立体図から発見した城である。国土地理院地形図を見ると一番近い地区名が本田だったので、本田城と命名した。荒川に臨む断崖上の峰にあり、単郭の小規模な城である。城へは南の断崖を登るか、西の尾根から登るしかないかと思って、かなりの困難を覚悟していたが、南の断崖に石窟があり、そこに十二社権現が祀られているので、そこまでの登道が整備されていた。更に幸いなことに、十二社権現の石窟から東に登ると小さな展望広場があり、そこから城まではすぐ目と鼻の先で、緩斜面をちょこっと直登するだけで城に至る。

 基本的に単郭の城で、南西に向って突き出た台形をした主郭を持ち、東側に腰曲輪を1段、更に断崖に臨む南以外の三方に腰曲輪を廻らした縄張りとなっている。主郭内は削平が甘く、南に向かって傾斜している。北角部分が一番高くなっており、方形に近い小さな平場があり、物見台のようである。その裏手の腰曲輪の角部だけ、わずかに土塁が築かれて横堀状となっている。主郭の東中央に坂虎口がある。また腰曲輪の南端は2ヶ所、短い竪堀が断崖に向って下っている。この他、三方を囲む下段の腰曲輪は、主郭物見台の裏手に段差があり、ここから東側は一段低くなっている。

 本田城は、主郭の削平が甘いことから、恒久的な城というよりは陣城として築かれた可能性が考えられ、南方の平野を監視する要害であったと思われる。南は宇都宮領なので、宇都宮氏と敵対する勢力が築いたものだろうか?
東腰曲輪の南端の竪堀→DSCN0221.JPG
DSCN0225.JPG←主郭の坂虎口
北側の腰曲輪→DSCN0230.JPG
CS地形図.jpg←略図(クリックで拡大)
(出典:栃木県森林整備課提供CS立体図)

 お城評価(満点=五つ星):☆☆
 場所:https://maps.gsi.go.jp/#16/36.741180/139.897585/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1g1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1


戦国の城の一生: つくる・壊す・蘇る (475) (歴史文化ライブラリー)

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  • 作者: 英文, 竹井
  • 出版社/メーカー: 吉川弘文館
  • 発売日: 2018/09/18
  • メディア: 単行本


タグ:中世山城
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