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徳次郎城(栃木県宇都宮市) [古城めぐり(栃木)]

DSC00641.JPG←主郭東側の二重掘と二重土塁
 徳次郎(とくじら)城は、宇都宮氏の家臣新田徳次郎昌言によって築かれたと言われている。日光街道(国道119号線)の徳次郎交差点から数百m南東にある、こんもりした林が城跡である。田川沿いの台地上に築かれている平城であるが、周囲がかなり宅地化されているのに、奇跡的にここだけほとんど手が付けられておらず、極めて遺構の状態が良い。街中に近い平城で、この徳次郎城ほどほとんど遺構が破壊されずに残っている城は、全国でも極めて少ないだろう。主郭だけ残っている例は数多いが、この城は周囲の曲輪も含めて、ほぼすべて残っているのである。
 南側の堀と曲輪は薮がひどく、探索するのに骨が折れるが、主郭北半分は薮も比較的軽微で見通しも効き、遺構の確認がしやすい。主郭はほぼ四角形で、周囲に土塁と空堀をめぐらし、更にその外側に第2郭をめぐらしている。輪郭式の縄張りだったようであるが、第2郭の東側は、田川沿いの堤防・遊歩道工事で削られてしまっているようだ。しかしそれ以外はほとんど完存していて、特に主郭の北と東の二重掘は素晴らしい。その内側の堀にの北東角には土橋も見られる。堀は全周きれいに残っていて、主郭と第2郭の南面には横矢の折れも見られる。これらの堀の一部は、GoogleMapの航空写真でもはっきりと確認できる。第2郭の北には隠岐殿屋敷と呼ばれる曲輪跡と南側にも曲輪らしき地形が残っている。
 往時の平城の姿が今にも蘇ってきそうな素晴らしい遺構である。解説板も石碑も無いのが残念である。
主郭の虎口→DSC00642.JPG

 お城評価(満点=五つ星):☆☆☆☆
 場所:https://maps.gsi.go.jp/#16/36.648365/139.848790/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1
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