赤塚城（東京都板橋区）

←本丸と二の丸の間の空堀跡
　赤塚城は、武蔵千葉氏の居城であり、高島平に程近い丘陵上に築かれている。千葉といえば桓武平氏の流れを汲む下総の名族であるが、その一流が古河公方と関東管領上杉氏とが争った享徳の大乱の中で自立し、武蔵の地に根を下ろしたものである。その後赤塚城を拠点に勢力の維持拡張に努め、小田原北条氏の勢力が伸びてくるとその傘下に入って、小田原の役まで勢威を誇ったという。
　現在城跡は赤塚公園となっており、周囲は宅地化が激しく、かつての遺構はほとんど見ることが出来ないが、地形的にはなるほどと思わせるものがある。この地域は思った以上に起伏が激しく、坂も多い。本丸南に谷を挟んで乗蓮寺があり赤塚城二の丸跡とされているが、この宅地化している谷間など、確かに本丸と二の丸との間の天然の空堀を思わせる地形である。本丸東の崖下の溜池はかつての堀跡、また本丸西側にも深い横堀を思わせる地形があり、城郭跡としての雰囲気は大いにあるが、明確な遺構はほとんどないという残念な城である。

　お城評価：☆
　場所：https://maps.gsi.go.jp/#16/35.784399/139.643333/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f0

タグ：中世平山城 小田原北条氏の城郭