志村城（東京都板橋区）

←志村小学校南の堀底道？
　志村城は、武蔵千葉氏の城の一つで、本拠の赤塚城を防衛する前衛拠点であった。武蔵千葉氏初代の千葉自胤が、享徳の大乱の中で自立して赤塚城に入城した際、弟の千葉隠岐守信胤が入城した。「入城」と解説板にあるので、おそらく志村氏によって以前から築かれていた城なのであろう。
　城跡は、都営三田線の志村三丁目駅から南に歩いて数分、首都高5号線の志村料金所すぐ真横の丘陵上にある。現在の熊野神社、志村小学校、ヴォイスガーデン城山と言うマンションのある地域が城跡に相当し、志村小が本丸跡、熊野神社が二の丸跡とされている。この地域は周囲を断崖に囲まれた要害で、熊野神社社殿のすぐ西、マンションとの間には、なんと堀跡と土塁跡が残っている。こんな東京のど真ん中でこんなに立派な堀跡を見ようとは予想だにしなかったので、埋もれてかなり浅くなっているとは言えなかなか感動モノである。しかも横矢まで懸かって屈曲しており、宅地化の嵐の中では奇跡に近い貴重な遺構である。また、小学校の南の道は、おそらくかつての堀底道であろう。
　東京の城というのもなかなか捨てたものではない！

境内に残る堀跡→

　お城評価：☆☆
　場所：https://maps.gsi.go.jp/#16/35.776043/139.686999/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f0

タグ：中世平山城