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木の芽峠(福井県敦賀市) [その他の史跡巡り]

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(2003年9月・2004年4月訪問)
 木の芽峠は、古来より北国街道の要衝として頻繁に人馬が往還する盛んな道であった。1336年叡山を落ち延びて北陸を目指した新田義貞の軍勢は、足利方の押さえる街道を迂回する為、この木の芽峠を通って敦賀の金ヶ崎城に入ったと伝わっている。太平記に拠れば、その年は例年にない寒気で、まだ10月だというのに猛吹雪に遭い、多数の凍死者を出すという悲惨な逃避行であったと言う。陰暦10月中旬にわずか標高600m余りの峠での凍死者続出とは虚構の疑いが生じるが、現代の学術的研究によって、ヒノキの年輪成長曲線からすると前後数十年で最も寒冷な年であった事が裏付けられている。後に、織田信長の配下の柴田勝家が北の庄に入部すると、栃の木峠を通る新たな街道が整備され(現在の国道365号線)、そちらが主に使われるようになった。
 木の芽峠には、現在でも石畳の古道が残り、古来からの峠の茶屋が残っている。ここに住むご老人は、藩主から任ぜられた関守の後裔だという。気難しい方らしく、観光客気取りで話しかけると怒られるらしい。私は何も話さず、軽く会釈をしたら、むすっとした顔のまま会釈を返してくれた思い出がある。
 義貞が通った頃に思いを馳せるなら、冬に来た方がいいのだろうが、木の芽峠に車で冬に来るのは無理だろう。栃の木峠から細い山道が通るが、途中崩落しているところがあるぐらいの小道であり、栃の木峠を通る国道が冬は通行止めになるほどである。

 場所:https://maps.gsi.go.jp/#16/35.716927/136.140619/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1
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