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篠塚稲荷神社(東京都台東区) [神社・仏閣めぐり]

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 篠塚稲荷神社は、新田義貞の家臣篠塚伊賀守重廣にまつわる神社である。篠塚伊賀守は、新田四天王の一人として知られ、剛勇を以って鳴らした武将である。義貞が越前の戦いで討死し、その弟脇屋義助が伊予に転戦すると、それに従って伊予に移り、義助陣没後も世田城・笠松城で抵抗を続けた。しかし阿波守護の細川頼春の大軍に攻め落とされ、大館氏明は戦死した。一方、篠塚伊賀守は並みいる敵兵を相手にたった一人で敵中を突破し、足利方の船を奪って戦場から逃れた。この後、魚島を経由して、遠く常陸に逃れたという。その後、武蔵に移って主家の再興を念願し、稲荷社の傍らに庵を結んで出家し日夜参篭を怠らなかったと伝えられている。いつしかその稲荷社は、篠塚稲荷神社と呼ばれるようになり、今日に及んでいると言う。
 篠塚稲荷神社は、かつての江戸城浅草御門近くにある。篠塚伊賀守が伊予から遠く離れたこの地に庵を営んだというのは俄かには信じ難いが、そうした伝承が残ると言うことは何らかの所縁があるのだろう。都会の喧騒の中にたたずむ小さな神社であるが、こんなところにも太平記の歴史が息づいていると思うと、何ともいえぬ思いに駆られそうだ。

 場所:http://maps.gsi.go.jp/#16/35.696131/139.786627/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0f0
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