佐原城（神奈川県横須賀市）

←城址の現状
　佐原城は、三浦氏の庶流佐原十郎義連の居城である。義連は三浦義明の末子で、19歳で源平合戦に参加し、一ノ谷の鵯越では一番乗りの手柄を立てた勇者で、弓の名手でもあった。鎌倉幕府首脳からの信頼も厚く、頼朝の寝所の警護役に任ぜられたり北条政子の弟時連元服の際の烏帽子親を勤めた。義連の子盛時は、宝治合戦の際に北条方に付いた為、三浦氏滅亡後にその名跡を継ぐこととなった。しかし三浦氏の広大な領地は削られて、三浦半島南部に限られてしまい、佐原城は廃城となった。尚、義連は会津にも所領を持っており、会津に入部した子孫は後に戦国大名葦名氏となった。
　佐原城は、南から北に突き出た半島状台地の上に築かれた城で、かつては入江が深く入り込み、台地の麓まで海原が広がっていた。入江の対岸にあった怒田城と共に三浦氏の本城衣笠城の東面を防衛していたと考えられる。現在佐原城のあった台地上は、畑や駐車場となっており、明確な遺構は残っていない。よく見てまわれば若干の遺構が確認できるかも知れないが、畑に進入できなかったので未確認である。尚、日本城郭大系に拠れば、かつては台地基部に堀切が見られたと言うが、宅地造成で湮滅した様だ。わずかに佐原城址の石碑がこの地に城があったことを今に伝えている。

　お城評価（満点=五つ星）：☆
　場所：http://maps.gsi.go.jp/#16/35.239047/139.682976/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0f1

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