北条氏館（静岡県伊豆の国市）

←館跡の現況
　北条氏館は、鎌倉幕府の執権職を代々世襲した北条氏の本拠地である。平安末期に北条時政はこの地に館を構え、源頼朝の夫人となった北条政子もこの地で生まれた。1180年に頼朝が挙兵すると、北条氏は最も重要な後ろ盾となり、鎌倉に幕府が開かれると北条時政は初代執権となった。後に時政は、畠山重忠の謀殺などで子の義時と確執を生じ、鎌倉を追放されてこの地に隠棲して没した。義時とその子泰時は名執権の誉れ高く、殊に泰時は、御成敗式目を制定し、連署・評定衆を創設するなど幕府機構の整備に尽力した。1333年に鎌倉幕府が倒され、得宗北条高時以下一族の者が滅亡すると、高時の実母円成尼は、北条一族の妻や娘たちと共に鎌倉から韮山に戻り、館跡に円成寺を建てて一族の菩提を弔ったと言う。

　北条氏館は、狩野川東岸の守山の北西麓の小さな谷戸に位置している。現在は「北条氏邸跡」として国の史跡に指定されており、過去に発掘調査が行われ、遺物や建物跡などが多数見つかっているが、見た限りはただの空き地で石碑や解説板以外に往時を語るものはない。しかしその地勢は、いかにも鎌倉時代の武士の居館に相応しい。尚、付近には北条氏所縁の史跡が多数残っている。

　お城評価（満点=五つ星）：☆
　場所：http://maps.gsi.go.jp/#16/35.046388/138.937172/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0f1

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