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熊野楯(山形県鮭川村) [古城めぐり(山形)]

DSC07166.JPG←ニノ郭の堀切
 熊野楯は、清水城主清水氏の家臣木戸周防の居城であったと伝えられるが確証はなく、その歴史は不明である。
 熊野楯は、山の神集落の位置する鮭川東岸の段丘上に位置し、南を沼前川によって侵食された舌状台地に築かれている。その縄張りは、極めて単純な連郭式で、主郭・ニノ郭それぞれに土塁と堀切を設けて台地基部を分断したものである。入手した縄張図では主郭の堀切は1本とされているが、実際には二重堀切となっていて、中間に馬出し的な細長い中間郭を設けている。二重堀切の内、外側の堀は横矢が掛けられ、一直線状ではなくクランク状となっている。ニノ郭の堀切は規模が大きく、北側に行くほど深さと幅を増し、最大で深さ10m程にも達する。堀底に対しては、外郭側から横矢が掛かっている。またニノ郭隅には、堀切に向かって小枡形の様な土塁で囲まれた空間が見られる。この他、主郭周囲には腰曲輪が築かれている。主郭に熊野神社が鎮座しているため、参道建設などで一部改変を受けているものの、全体に遺構は良く残っている。熊野楯の縄張りは、清水城と酷似しており、清水氏の持ち城であった証を示している。

 お城評価(満点=五つ星):☆☆☆
 場所:http://maps.gsi.go.jp/#16/38.805872/140.229224/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0l0u0t0z0r0f0


※東北地方では、堀切や畝状竪堀などで防御された完全な山城も「館」と呼ばれますが、関東その他の地方で所謂「館」と称される平地の居館と趣が異なるため、両者を区別する都合上、当ブログでは山城については「楯」の呼称を採用しています。
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