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犬成城(千葉県市原市) [古城めぐり(千葉)]

IMG_6745.JPG←主郭大手の土橋
 犬成城は、歴史不詳の城である。その縄張りと、八幡から茂原に抜ける交通の要衝を押さえていることから、戦国後期に街道に面した軍事的要衝として築かれたと推測されている。

 犬成城は、比高50mの段丘先端に築かれた城である。小河川の刻んだ狭い谷戸に面して築かれている。小規模ながら技巧的な縄張りの城で、南北に並立する主郭・ニノ郭から構成されている。主郭・ニノ郭共に背後にしっかりと築かれた土塁を築き、空堀に土橋を架けている。特に主郭の空堀は深く穿たれ、しかも大手虎口の土橋には左右両側に土塁が張り出して櫓台を築き、土橋に対して横矢を掛けている。主郭の土塁は背後から側方(南面)を土塁で囲繞し、土塁の北端にも隅櫓台を築いて、空堀に対する横矢を掛けている。主郭の北東端はやや鋭角に張り出し、下方の腰曲輪に対する横矢掛かりを意識している。ニノ郭の土塁も南端が短いL字状に曲がっている。主郭大手の土橋に向かって、曲輪をやや突出させた構造となっており、ニノ郭側にも城門を置いていたのだろう。この他、周囲に数段の腰曲輪があるが、藪がひどく形状がはっきりしない、また東側下方の安立寺背後にも大きな櫓台状の土塁が見られる。現在は山の持ち主が綺麗に下草刈って整備しているらしく、主郭・ニノ郭とも見事な姿を現している。南に向山城があり、規模・構造から推測すれば、犬成城に軍団の主将と参謀達が入り、向山城を軍団の駐屯地とした、進軍路途中の中継基地の様なものだったのではないかと思われる。その推測が合っているとすれば、上総へ侵攻を繰り返した小田原北条氏による築城の可能性も出てくるだろう。
横矢を掛けた主郭の隅櫓台→IMG_6747.JPG
IMG_6667.JPG←ニノ郭背後の土塁
 お城評価(満点=五つ星):☆☆☆
 場所:http://maps.gsi.go.jp/?ll=35.49035,140.19134&z=16&base=std&vs=c1j0l0u0
タグ:中世崖端城
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