SSブログ

下小池城(茨城県阿見町) [古城めぐり(茨城)]

IMG_1203.JPG←主郭の横矢の張出し
 下小池城は、歴史不詳の城である。久野城と同様、乙戸川沿いの河岸段丘上に築かれているが、この付近の河岸段丘は城郭密集地帯で、その中でも横矢掛かりなどが見られることから、小田原北条氏の傘下に入った江戸崎土岐氏の支城の一つとして構築されたものと推測されている。

 下小池城は、現在城址公園となっている。丘陵上に築かれたほぼ方形の主郭と周囲を取り巻くニノ郭・三ノ郭から構成されている。主郭は北東角が張り出し、更に東辺にもう1ヶ所折れを持たせた横矢掛かりを設けている。北西から空堀に架った土橋を越えて郭内に進入するが、腰曲輪状の虎口郭を経由する構造で、比較的珍しい虎口形状をしている。ニノ郭は、主郭の北西に広がっており、土塁と空堀で囲まれ、北東部に1ヶ所明確な折れと、北辺部中央に枡形虎口を設けている。その周囲が三ノ郭ということになるが、三ノ郭は城域がはっきりせず、どこまで広がっていたか明瞭ではない。西側の窪地の先に土塁や空堀らしい地形が見られるが、藪が多くはっきりしない。いずれにしても横矢掛かりが多い城であるが、普請の規模はそれほど大きなものではなく、下総松ヶ崎城の様に台地上に築かれた方形居館から発展した城の様に考えられる。

 尚、下小池城には3月下旬に訪城したが、主郭・ニノ郭のあちこちを重機が走った跡が残っており、土塁なども無残に削られた痕を晒していた。翌日、阿見町の生涯学習課に遺構破壊を通報するメールを打ったが、今に至るまで何らの回答もない。阿見町はこのまま、何も対策を取らないのであろうか?このままでは遠からず湮滅してしまうだろう。いやもう既に湮滅しているかもしれない。全くひどい話である。
ニノ郭の枡形虎口→IMG_1178.JPG

 お城評価(満点=五つ星):☆☆
 場所:http://maps.gsi.go.jp/?ll=35.986705,140.199977&z=16&base=std&vs=c1j0l0u0
タグ:中世崖端城
nice!(5)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 5

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

Facebook コメント