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地蔵院館(宮城県白石市) [古城めぐり(宮城)]

IMG_9764.JPG←クランクする大空堀
 地蔵院館は、歴史不詳の城である。現在も国道4号線が脇を通る、白石盆地南西端の山麓に位置する交通の要衝にあることから、街道を押さえるために築かれた関所的な役割の城砦であろうか。

 地蔵院館は、比高30m程の独立丘陵上に築かれている。瓢箪型の丘陵で、北半分に主郭と思われる平場が広がっており、現在は耕作放棄地で雑草だらけとなっている。ここには国道4号線脇から登道が付いており、登り口の空堀跡は防火水槽と水路に変貌している。主郭の西側には土塁が明瞭に残り、その下方には台地側を分断する大空堀が穿たれているが、藪がひどく進入は困難である。一方、西側に広がる畑地から城跡に近づくと、明らかに空堀の跡とわかる低く細長い畑があり、その奥の山林の中に大空堀が眠っている。この空堀は、少し先でクランクして折れ曲がっており、上方には空堀を睥睨する隅櫓台を備えている。空堀に沿って塁線上に大土塁が築かれているが、その上に小石が多数散乱しており、礫石の跡であろうか?土塁の東側は郭跡と思われるが、瓢箪型丘陵の南半分に当たる南の郭内は東に向かって大きく傾斜しており、まともな居住性は無かった様である。丘陵南端も一段高い物見台となっており、その外も空堀が掘り切っている。
 地蔵院館は、西側部分の遺構がよく残っているが、全体に薮がひどく全体の確認は困難である。また遺構面では、大規模な横矢掛かりから考えれば戦国期の遺構と考えられるが、それ以外の部分は城砦としての性格もやや中途半端に感じられ、今一つしっくり来ない印象を受ける。
南端の物見台と空堀→IMG_9795.JPG

 お城評価(満点=五つ星):☆☆
 場所:http://maps.gsi.go.jp/?ll=37.968053,140.610666&z=16&base=std&vs=c1j0l0u0
タグ:中世平山城
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