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長館(宮城県仙台市) [古城めぐり(宮城)]

IMG_2808.JPG←宅地脇に残る3本目の土塁
 長館は、長楯城とも呼ばれ、秋保郷の土豪秋保氏の居城である。秋保氏の事績は楯山城の項に記載する。秋保氏は、元々は楯山城を本拠としており、その北東麓の名取川対岸に、二口街道を防御する城館として長館が築かれたと言う。その後、秋保氏15代盛房の時、居城であった楯山城を大曲城主長井氏に奪われ、一時山形に逃れた後、秋保領民の協力を得て奪還を果たすと、盛房はこれを機に長館を本城としたとされる。しかしその後も、詰城の楯山城と居城の長館が一体となって機能していたと推測される。18代直盛の時に秋保氏は移封となり一時廃館となったが、天明年間(1781~89年)の23代氏盛の時に再び秋保郷に戻り、秋保家の居館として家中屋敷と合わせて整備され、幕末まで存続した。

 長館は、名取川とその支流に挟まれた半島状段丘の先端部に築かれている。先端にあった主郭の背後を含め、台地状を閉塞するように4ヶ所に土塁が築かれていたとされ、現在は宅地化が進んでいるものの土塁の一部が残存している。中でも良好なのが主郭背後のものと3本目のものである。また2本目と3本目の土塁の位置では道路が折れ曲がっており、城下街道によくある「鉤の手」か食違い虎口を形成していたことがわかる。遺構は僅かであるが、往時の佇まいは感じられる。

 お城評価(満点=五つ星):☆☆
 場所:http://maps.gsi.go.jp/#16/38.250853/140.681884/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0l0u0t0z0r0f0
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