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平榎城(富山県富山市) [古城めぐり(富山)]

DSCN5688.JPG←比定地の現況
 平榎城は、1443年まで河内国枚方城主であった埜崎(野崎)政光の子、筑前守政彌が1504年8月に築いた城である。その後、天正年間(1573~92年)の初め頃に越中に侵攻した上杉謙信の攻撃を受けて落城したと伝えられる。しかし史料にわずかに出てくるだけで、実態が明らかでない幻の城とされている。また城がある常願寺川流域は、1580年から幕末にかけての約280年間に24回もの洪水などの土砂災害を受けており、平榎城は土砂災害によって消失したと考えられている。尚、この地は、新川郡守護代椎名氏、射水・婦負郡守護代神保氏の支配領域の中間地点に当たり、常願寺川河口の海岸線や常願寺川沿いの街道などを扼する交通の要所であった。発掘調査の結果、平榎城のものと思われる堀跡が検出されており、平榎城はこうした交通・軍事の要地を押さえた城館で、規模は不明ながら堀を巡らし、家臣の屋敷地が周囲を固めた城であったと推測されている。

 平榎城は、平榎亀田遺跡周辺に比定されている。前述の通り、表面観察できる遺構は全く無く、一面の水田地帯が広がっているだけである。解説板も何もなく、今でも幻の城のままである。農地整備事業の記念碑(解説板)を立てるぐらいなら、城についての標柱や解説板を立てても良さそうなものなのに、非常に残念な状況である。

 お城評価(満点=五つ星):☆
 場所:https://maps.gsi.go.jp/#16/36.743037/137.284030/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1g1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1


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タグ:中世平城
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