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羽場城(長野県辰野町) [古城めぐり(長野)]

DSCN3931.JPG←主郭の空堀と土塁
 羽場城は、小笠原氏が築いた城である。伝承では天文年間(1532~55年)に小笠原十二郎が羽場城に居住したとされる。武田信玄が伊那に侵攻し、藤沢頼親が拠る福与城を攻撃した際、小笠原長時が家臣の草間肥前守時信を入れて守らせたと言う。武田氏支配時代には柴河内守がこの城に入ったが、1582年の織田信長による武田征伐の際に織田軍によって落城した。但し、別説では柴氏が拠ったのは沢を挟んで北にある古城原で、文禄年間(1592~96年)に新たに羽場城を築いて移ったとも言われる。いずれにしても江戸前期の1636年に高遠城主保科正之が出羽山形に加増転封となると、柴氏も保科氏に従ってこの地を離れたと言う。

 羽場城は、天竜川曲流部南の段丘辺縁部に築かれている。主郭は手長神社の境内となっている。主郭は方形をしており、北の崖面以外の三方に、曲輪の規模とは不釣り合いなほど大きな土塁を築いている。その外周には空堀を穿っているが、南西角はJR飯田線が貫通しており、破壊を受けている。主郭の大手虎口は神社入り口に当たる南側であるが、神社建設によって改変されている。搦手虎口が北西にあり、土塁にわずかな切れ込みがあり、空堀に土橋が架かっている。主郭の周りには二ノ郭があるが、畑や宅地に変貌している。一部に外周の土塁が残り、堀跡らしい畑が残っている。基本的に方形プランで横矢掛りはほとんどないシンプルな縄張りであるが、大型の土塁と空堀は事前の予想以上の規模で見応えがある。
二ノ郭土塁と堀跡の畑→DSCN3940.JPG

 お城評価(満点=五つ星):☆☆☆
 場所:https://maps.gsi.go.jp/#16/35.956445/137.983947/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1g1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1


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タグ:中世崖端城
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