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千石山城(富山県上市町) [古城めぐり(富山)]

DSCN7457.JPG←南東尾根の2本目の堀切
 千石山城は、堀江城主土肥氏の支城である。堀江系土肥氏は、上市川流域に有金館-堀江城-郷柿沢館稲村城-千石山城という城館群を築いており、これらは堀江城を本拠とし、その支城群と捉えられる。千石山城は堀江城の「奥城」と伝えられ、上市川流域の城館群では最奥の最高所に築かれており、最終的に籠城するべく築かれた城と推測される。1583年に土肥氏が佐々成政との抗争に備えて構築した可能性が指摘されている。

 千石山城は、標高757.6mの千石城山に築かれている。まともに麓から登ったら大変な山だが、幸い南東の尾根まで車道があり、大した苦労をせずに登ることができる。車道のヘアピンカーブの脇から登山道が整備されている。登り口から城域到達までは思ったより遠く、最初の堀切まで15分ほど掛かる。この南東尾根には合計3本の堀切が距離を隔てて穿たれている。その先に主郭がある。主郭は広いが、やや起伏のある曲輪で、西から北にかけて腰曲輪を伴っている。主郭は整備されており、ベンチや解説板があるが、周りに木々があって眺望は良くない。腰曲輪は薮が酷いが、竪堀が穿たれているのが確認できる。また北西の尾根を降っていくと、二重堀切が穿たれている。堀切は、この北西尾根のものも前述の南東尾根のものも、中規模でしっかりした普請がされている。この他、縄張図には描かれていないが、南東尾根で城域から離れた所に幅広の横堀(堀切)状地形があり、これも遺構であった可能性があるが、薮が多くて判然としない。以上が千石山城の遺構で、峻険な地形に更に多重堀切で防御を固めた、いかにも最後の砦らしい城である。
主郭→DSCN7473.JPG
DSCN7501.JPG←北西尾根の二重堀切の外堀

 お城評価(満点=五つ星):☆☆
 場所:https://maps.gsi.go.jp/#16/36.669185/137.453288/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1g1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1


越中中世城郭図面集 1(中央部編(富山市・中新川郡

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