SSブログ

熊野楯(岩手県九戸村) [古城めぐり(岩手)]

DSCN1012.JPG←わずかに残る土塁
 熊野楯(熊野楯)は、九戸一族の城と伝えられている。一説には、九戸氏が最初に構築した楯で、代々九戸氏の居城であったとも言われる。伊保内館と大名館の中間に位置し、これらと連携した城であったと推測されている。

 熊野楯は、標高310m、比高40mの独立丘に築かれている。主郭と思われる平場には熊野神社が建っており、南東から参道が整備されている。遺構はわずか、かつ不明瞭で、主郭は地山の緩斜面で明確な削平はされていないらしし。また熊野神社の北から東にかけてL字型をした土塁が見られるが、平坦地の中にあるわずかな土盛りに過ぎず、防御性を持ったものではなく単なる区画として築かれたものだろう。主郭の西側にはそびえ立つ峰があり、物見台だったと思われる。物見台の周りにも数個の小郭がある。主郭の北東は、ほとんど自然地形の斜面が広がっているだけである。尚、前述の参道の頂部近くには竪堀状の道が見られるが、これも遺構かどうかは不明である。結局、物見台以外はあまりはっきりした城跡の痕跡は見出だせない。

 お城評価(満点=五つ星):☆☆
 場所:https://maps.gsi.go.jp/#16/40.213678/141.418912/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1g1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1

※東北地方では、堀切や畝状竪堀などで防御された完全な山城も「館」と呼ばれますが、関東その他の地方で所謂「館」と称される平地の居館と趣が異なるため、両者を区別する都合上、当ブログでは山城については「楯」の呼称を採用しています。
タグ:中世平山城
nice!(4)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 4

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

Facebook コメント