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根小屋城(群馬県高崎市) [古城めぐり(群馬)]

DSC02365.JPG←主郭の内枡形
 根小屋城は、甲斐武田氏が西上州に全く新たに取り立てた山城である。1566年、武田信玄は箕輪城の長野氏を滅ぼして西上州を完全に制圧し、このことは小田原北条氏・越後上杉氏と強い緊張状態を生じた。そこで信玄は、1568年或いは1570年に山名城茶臼山城の間に新城を築き、信濃の武将望月甚八郎・伴野助十郎を入れて守らせたと記録されている。その後の歴史は定かではないが、甲斐武田氏の滅亡と共に廃城となったのだろう。

 根小屋城は、ウモさんのHP「埋もれた古城」に紹介されているのを見た時から、いつかは行きたいと思っていた念願の城だった。その遺構は期待に違わぬ見事なもので、殊に横堀竪堀を縦横に絡ませて連携させた堀のネットワークには感嘆する他はない。比高110m程の比較的緩やかな傾斜の丘陵に築かれた城で、その平山城に近い選地と縄張りはどちらかというと北条氏の影響を受けているように思える。主郭を中心にして周囲には空堀が取り巻き、更に外周に腰郭を巡らしている。この腰郭の形態は、まるで滝山城の様である。面白いのは、主郭は大手から見て手前にあり、奥が二ノ郭になっていることである。大手口の構造も、横堀と竪堀を絡めた複雑なものとなっている。各曲輪は堀切で分断され、その堀切はそのまま横堀や竪堀に繋がって複雑な形状をとっている。この他、主郭には大きな内枡形があり、腰曲輪に大きな井戸跡も残る。それほど大規模な城ではないが、城内は整備されているので遺構が非常に見やすく、その精緻な縄張りと相まって素晴らしい城である。
主郭周囲の腰郭と空堀→DSC02278.JPG

 お城評価(満点=五つ星):☆☆☆☆
 場所:http://maps.gsi.go.jp/#16/36.283400/139.023249/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0f1
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