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鉢岡山烽火台(神奈川県相模原市) [古城めぐり(神奈川)]

DSC09427.JPG←鉢岡山の山頂
 鉢岡山烽火台は、鷹取山烽火台と同様、甲斐武田氏が小田原北条氏に備えて築いた烽火台の一つである。この相模湖周辺はかつての甲相国境であり、武田氏と北条氏が各々警衛の烽火台を幾重にも築いた、厳重警戒地域であった。現地標柱の解説文によると、標高460mの鉢岡山山頂に烽火台や警鐘を設けて、万一の時には鶴島御前山砦を経由して岩殿城へと通報したと言われている。

 鉢岡山烽火台へは、北西の尾根筋から登る登山道が整備されており、登り口には「鉢岡山登山口」という標柱もあるので迷うことはない。しかしその遺構は鷹取山烽火台と同様、頂上に平場と標柱があるだけで、明確な遺構は確認できない。しかも頂上の平場には、防災無線の中継局などが設置されている為、近代の破壊を受けていると見られ、余計に遺構がわからなくなっている。因みに日本城郭大系では、鉢岡山山頂から北に下った標高400m程の小ピーク(現在小屋のある円丘)が「鐘撞堂跡」等と地元で呼ばれていることから、山頂の烽火台とは別に警鐘施設が置かれていた可能性を指摘している。

 尚、鉢岡山烽火台は、相模湖から一山越えた、ちょっと奥まった山に築かれている。その為、思ったほど北の甲州街道方面への眺望は優れず、その一方で西方への眺望が優れていることから考えると、武田氏というよりは北条氏の烽火台だったという方が合っているように思う。位置的にも北条方の城砦群の中に突出しており、武田方のものとするにはやや無理があるように思う。現地標柱の解説に、「武田氏の烽火台」と記載している根拠は何だろうかと、ちょっと不思議に思った。

 お城評価(満点=五つ星):☆
 場所:https://maps.gsi.go.jp/#16/35.596914/139.166683/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0f1
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ねじまき鳥

意外といろいろと伝承があるのですね。

by ねじまき鳥 (2011-07-18 11:39) 

アテンザ23Z

>ねじまき鳥さん
そうなんですよね。
結構、伝承ってバカに出来ないもんだとつくづく思います。
古い城にまつわる地名が残っているのも、伝承の一種だと思います。
そういう意味では、歴史考証に重要な意味を持っていますね。
by アテンザ23Z (2011-07-19 00:55) 

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