今井砦（神奈川県横浜市保土ヶ谷区）

←堀切跡
　今井砦は、伝承に拠れば木曽義仲の家臣で義仲四天王の一人として知られる今井四郎兼平（巴御前の兄弟）の築いた城と言われるが、確証はない。おそらく今井の地名から兼平に仮託したものだろう。戦国時代には、小田原北条氏の家臣清水氏が、伊豆から今井の地に移り代々今井砦の城代を務めたという。
　今井砦は、横浜新道のすぐ西側の比高30m程の南北に細長い台地の先端に築かれている。主郭と出丸から成っていたらしく、南側の出丸には城山稲荷が鎮座し、立派な城址碑が建てられている。出丸周囲には空堀が巡らされていたが、現在は建設会社か何かの資材置き場になっていて、多少の破壊を受けている。最も明確な遺構は出丸と主郭を分断する堀切である。その上の主郭と考えられる曲輪にも数段の平場が確認できる。更にその上は住宅地となって遺構は残っていない。都会の只中の城であるが、かろうじて遺構が残っており、このまま大切に保存していってもらいたい。

　お城評価（満点=五つ星）：☆☆
　場所：http://maps.gsi.go.jp/#16/35.446355/139.563457/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0f1

タグ：中世平山城 小田原北条氏の城郭