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森館(宮城県栗原市) [古城めぐり(宮城)]

IMG_4427.JPG←下段の腰曲輪
 森館は、現地標柱によれば安藤五郎窺家の居館とされ、『森館軍記』という書物に出てくる居館と言う。また『日本城郭大系』によれば森周防、或いは森因幡守糺則の居館であったとされている。いずれにしても事績不明の城館である。

 森館は、平野の只中にある比高20m程の独立丘陵に築かれている。たまたま通りかかって標柱を見つけて訪城した。登道を探して歩いていると、地元のおばあさんから、またそのちょっと先でおじいさんに別々に声をかけられた。城跡のことを伺うと、お二人共、異口同音に「城跡だと言われているけど何にもないよ」と力説していた。キャッスラーならよく聞く答えで、「ははん。てことは、遺構があるな」と思って、南面の鳥居のある階段を登って行くと、案の定腰曲輪らしい平場と切岸が目に飛び込んできた。
 森館は、楕円形の丘陵頂部に、堀切で分断された主郭とニノ郭を置き、外周に2段の腰曲輪を築いて全周を囲繞している。堀切は城内通路を兼用していたようで、堀切南端から腰曲輪を西向かって歩くと、僅かに木戸口の土塁が残っている。堀切の主郭側には低土塁も築かれている。思った以上に良好な遺構に満足した反面、「家の真裏の山にこれだけしっかり遺構が残っているのに、『何もない』とはなぁ・・・」と、こうして遺構も歴史も埋もれていってしまうかと思うと、少々複雑な気分だった。
主郭・二ノ郭を分断する堀切→IMG_4445.JPG

 お城評価(満点=五つ星):☆☆
 場所:http://maps.gsi.go.jp/#16/38.811356/140.964214/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0l0u0f0
タグ:中世平山城
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