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福星寺館(千葉県四街道市) [古城めぐり(千葉)]

IMG_9467.JPG←北辺の櫓台と空堀
 福星寺館は、歴史不詳の城館である。地域としては千葉氏の勢力圏に属していたことから、千葉氏関連の在地領主吉岡氏関連の城館と考えられているが(『図説 房総の城郭』)、遺構から推測すると戦国後期のものと考えられることから、三船山合戦以後、反攻に転じた安房里見氏に対して、北条氏が築いた防衛の砦とも考えられよう。

 福星寺館は、比高20m程の段丘先端部に築かれている。単郭の小規模な城館で、郭内は現在福星寺が建っている。主郭はほぼ方形の曲輪であるが、外周には高土塁が築かれて防御を固め、東西南北四辺の中間部に横矢掛かりの櫓台張出しを設けており、それに伴って外周の空堀を屈曲させている。外周の堀底から見た城塁は高さ6~7mにも及ぶ規模で、城の規模と比べると不釣り合いなほど厳重に防御されている。また東や南に虎口が開かれ、土橋が架かっている。空堀の外周にも一部土塁などが散見される。南に700m程しか離れていない木出城と構造がよく似ており、横矢の発達や厳重な防御構造から推測すると、三船山合戦以後に里見氏の激しい攻勢に曝された北条氏が、防衛線維持のために築いた城砦と考えるのが妥当ではないだろうか。

 お城評価(満点=五つ星):☆☆☆
 場所:http://maps.gsi.go.jp/#16/35.646974/140.198271/&base=std&ls=std&disp=1&lcd=gazo4&vs=c1j0l0u0f0
タグ:中世平山城
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