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白山城南砦(山梨県韮崎市) [古城めぐり(山梨)]

DSCN8041.JPG←二重竪堀
 白山城南砦は、ムク台烽火台とも言い、歴史不詳の城砦である。白山城のすぐ南の尾根の標高695m峰に位置しており、白山城よりも130m程高所に築かれている。白山城の北には白山城北砦があり、南砦と一対となっている。これらの砦が白山城と同時代に機能したかは不明であるが、普通に考えれば白山城の防衛網の一翼を担う城砦と推測される。実際に武田氏の城砦には、平瀬城塩田城等の様に本城を中心に両翼の尾根に小城砦を築いて連立させるものがあり、白山城もその様な形態の城だったのではないだろうか。尚、ムク台とは古くはモク台と呼ばれ、煙がモクモク上がったことから付いた名と伝えられる。

 白山城南砦は、白山城と共に国指定史跡となっており、登山道が整備されている。砦に近づくと、途中に2本の堀切が散発的に現れる(但し最初の1本は、登山道が堀底を通っている形なので、横掘という方が正確かもしれない)。更に登るともう1本の堀切と北東の2段の腰曲輪を経由して主郭に至る。主郭は三角形の形をしており、南辺に土塁を築いており主郭後部まで取り巻いている。主郭の内部には、烽火台の窪みも残る。主郭の後ろには細尾根上の細長い小郭があり、その先端は堀切で分断されている。この堀切から落ちる竪堀は、西側斜面で短い竪堀と並列になっていて、二重竪堀の形状となっている。この二重竪堀から主郭西斜面にかけて武者走りが通っている。背後の尾根上には小さな平場があり、東斜面に竪堀が落ちている。以上が白山城南砦の遺構で、砦の内部は草木が間伐されて整備されているため、遺構が非常に見やすくなっている。所々にパウチされた案内図が掛かっており、初心者でも見やすいと思う。主郭から眼下には白山城が見える。
主郭の土塁→DSCN8031.JPG

 お城評価(満点=五つ星):☆☆
 場所:https://maps.gsi.go.jp/#16/35.693212/138.420771/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1


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タグ:中世山城
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