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金子城(長野県諏訪市) [古城めぐり(長野)]

DSCN2589.JPG←解説板と堀跡の水路
 金子城は、1582年の天正壬午の乱の中で旧領を回復した諏訪頼忠が、新たに築いた居城である。元々この地には諏訪氏の家臣で大熊城主であった千野氏が築いた砦があったとされる。本能寺の変により、武田遺領を支配して間もない織田勢力は瓦解し、その間隙を衝いて各地の勢力が自立の動きを見せ始めた。諏訪郡では、千野左兵衛昌房が先頭に立って諏訪氏の旧臣を集めて茶臼山城(高島古城)を奪還し、諏訪頼忠を茶臼山城に迎えた。その後、北条・徳川両氏による抗争の結果、信濃国の過半は徳川氏の領国となり、信濃諸豪は徳川氏に服属した。頼忠も徳川家臣となり、諏訪郡を安堵された。頼忠は千野氏の城館跡に金子城を築き、1584年に居城を移した。しかし1590年の徳川氏の関東移封に伴い、諏訪氏も金子城に数年住んだだけで武蔵国奈良梨に転封となってこの地を離れた。その後に諏訪郡に入ったのは豊臣秀吉の家臣日根野高吉で、高吉は茶臼山城に入ったが、新たに高島城の築城を開始した。この時、金子城を破却し、その石材は舟で運ばれて高島城の石垣に転用された。

 金子城は、宮川の曲流部にそれを外堀として築かれていた。しかし城跡は宅地化されて、遺構はほとんど失われている。また外堀であった宮川の流れも、往時からは変えられてしまっているらしく、余計に縄張りが分かりにくくなってしまっている。解説板があるのが唯一の救いと言う感じである。

 お城評価(満点=五つ星):☆
 場所:https://maps.gsi.go.jp/#16/36.011209/138.113508/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1g1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1


長野県の歴史散歩

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タグ:中世平城
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