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新井田楯(岩手県金ケ崎町) [古城めぐり(岩手)]

DSCN7669.JPG←二重堀切の内堀
 新井田楯(新井田館)は、歴史不詳の城である。城内に坂上田村麻呂が討伐した8人の蝦夷を祀った八荒神神社があることから、地元では八荒神と呼ばれていたと言う。

 新井田楯は、西根段丘が東に突き出た、比高20m程の突端に築かれている。南麓の地区センター脇から神社参道が伸びており、それを登れば城域に至る。東西2郭から成るとされるが、西郭はほとんど自然地形で遺構が明瞭ではない。東郭が主郭に当たり、南北に帯曲輪が築かれ、西の台地基部に二重堀切が穿たれている。主郭南の帯曲輪は2段あり、上段には前述の通り八荒神神社が建っている。また二重堀切の内堀は、この帯曲輪に繋がっており、城内通路を兼ねていたことがわかる。主郭東側は車道が南北に貫通し、段丘が削られているので、もっと遺構があったかもしれない。いずれにしても、小規模な城砦である。

 お城評価(満点=五つ星):☆☆
 場所:https://maps.gsi.go.jp/#16/39.191562/141.051493/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1g1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1


※東北地方では、堀切や畝状竪堀などで防御された完全な山城も「館」と呼ばれますが、関東その他の地方で所謂「館」と称される平地の居館と趣が異なるため、両者を区別する都合上、当ブログでは山城については「楯」の呼称を採用しています。


蝦夷と東北戦争 (戦争の日本史)

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タグ:中世平山城
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