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池上氏館(東京都大田区) [古城めぐり(東京)]

DSC05151.JPG←本門寺の五重塔
 池上氏館は、古くからこの地の豪族であった池上氏の居館である。現在の池上本門寺は、池上宗仲の館跡に建てられたと伝えられている。本門寺は高台に位置し、遺構は残っていないものの、居館を築くには相応しい場所だったと考えられる。また一説には、本門寺西側下方にある本行寺付近は池上氏館の根小屋であったとも言われていると言う。本行寺付近には、一部に土塁らしい遺構も存在する。

 本門寺は、力道山など著名人の墓が居並ぶ非常に大きな寺で、重文となっている五重塔も存在し、日蓮上人入滅の地としても知られている。墓地には現在まで連綿と続く池上氏の墓もあり、現代になって新しく作られた墓ではあるが、その墓誌を見ると古くは天慶年間(平将門の時代!)から始まる一族であったことがわかる。

 また諸大名の所縁の寺でもあり、加藤清正の供養塔、清正の正室正応院の層塔、前田利家の側室寿福院(3代利常の実母)の層塔、紀州徳川家内室の墓所、伊予松平家の墓所など多数存在しており、城郭巡りと言うよりほとんど墓巡りとなってしまう場所である。また、紀州徳川家初代頼宣の娘で鳥取池田家初代藩主光仲の正室芳心院の墓である万両塚というものも存在する。この墓はその名の通り巨大なもので、墓の周囲には石垣で形作られた空堀まで存在している。これが女性の墓とは、信じられないほどである。江戸時代の女性の墓で、これほどの大きさのものはほとんど例がないであろう。

 尚、本門寺を訪れた際には、墓地のことを良く知っている話好きなご老人がご好意で案内してくれた。全部で1時間程も案内して頂き、大企業の社長の墓なども含めて多数の墓を拝見することができた。伊予松平氏の墓所では、隠れ葵紋があることも教えていただいた(葵紋は、たとえ徳川家に連なる一族であっても、将軍家と御三家以外での使用は禁止されていた)。この場を借りてお礼を申し上げたい。
万両塚と周囲の空堀→DSC05197.JPG

 お城評価(満点=五つ星):☆
 場所:http://maps.gsi.go.jp/#16/35.578924/139.705174/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0f0
タグ:居館
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