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白岩山城(栃木県佐野市) [古城めぐり(栃木)]

DSC04733.JPG←段曲輪に残る石積み
 白岩山城は、歴史不詳の山城である。一説には蓬山城の出城とも言われている。位置的には蓬山城と長谷場城のほぼ中間地点に当たり、佐野氏が築いた繋ぎの城であったとも考えられる。

 白岩山城は、標高428m、比高258mの白岩山に築かれている。峻険な岩山に築かれた狭小な砦である。明確な登り口はなく、適当に斜面を直登して白岩山から南西に伸びる尾根に取り付いた。尾根上をしばらく登って行くと、土橋の架かった極めて浅い堀切があり、ここから城域に入る様だ。この堀切から10m程上に最初の段曲輪があり、石積みが残っている。ここからは10段程の段曲輪群が築かれている。これらを越えると、いよいよ山頂部である。山頂の主郭は、数人立てるだけの、猫の額ほどの極めて狭小な曲輪で、削平も甘く、単なる物見台の様である。その手前下方の腰曲輪状の平場がニノ郭であろうか。ここにも僅かに石積みが残っている。主郭背後はほぼ垂直に近い絶壁で、高低差も10m程あり、両側も急峻な断崖で、落ちたら間違いなく死ぬだろう。これまでの城歩きで最も危険を感じた場所である。この絶壁の途中にも堀切らしい地形があるが、地形自体が天険の要害で、果たして堀切を作る意味があるのか疑問である。背後の北側の尾根には特に遺構は確認できない。一方、背後の尾根から南側の大手筋に戻ろうとした時、主郭西側下を迂回する武者走りが残っているのを発見した。この武者走りはニノ郭に繋がっており、途中で竪堀が貫通して防御されている。

 日本城郭大系や栃木県の中世城館跡に記載される遺構状況は、私が踏査した結果とはかなり異なっており、その他の尾根には、ざっと見て回った限りでは遺構らしいものは確認できなかった。山頂の主郭から南西尾根に段曲輪群を連ねた簡素な城砦であった様だ。それでも阿土山城の様な石積みが2ヶ所も残っており、貴重な遺構である。
石積みの残る段曲輪→DSC04673.JPG
DSC04684.JPG←ニノ郭と主郭

 お城評価(満点=五つ星):☆☆
 場所:http://maps.gsi.go.jp/#16/36.460510/139.532365/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0l0u0t0z0r0f0
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