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尾沢渡城(静岡県静岡市葵区) [古城めぐり(静岡)]

DSC00354.JPG←ニノ郭背後の二重堀切
 尾沢渡城は、歴史不詳の山城である。静岡古城研究会の考究では、1581年の穴山梅雪の書状から、この時期の武田氏による西駿河防衛の為の城ではないかとの見解が出されている。
 尾沢渡城は、黒俣川とその支流の尾沢の間に突き出した、標高220mの山稜先端に築かれた山城である。この城に登るには、南東斜面の民家裏の茶畑を登らなくてはならないので、地元の方の許可を得て登る必要がある。茶畑からは道が付き、下草が刈られているので、簡単に登ることができる。先端の頂部にやや広めの主郭を置き、その前面と南西側に腰曲輪を配置し、更に東に伸びる尾根と南東の支尾根にも腰曲輪を数段築き、更に主郭背後にはほぼ方形の小型のニノ郭を配置している。その背後には見事な二重堀切を穿ち、更に背後の尾根の少し先にも小堀切がある。背後の尾根には古道らしい道が残っており、尾根筋の連絡路があった可能性がある。主郭とニノ郭には北側を重点防御する土塁が築かれていることから、この方面からの攻撃を想定して築かれた様である。また主郭前面の腰曲輪等には石積みが残るが、遺構かどうかは不明で、植林の際の改変の可能性が捨てきれない。また腰曲輪に数ヶ所竪堀も穿たれている。比較的小ぢんまりした城であるが、この手の城にしては中規模の堀切がしっかりと普請され、また土塁の築かれた主郭とその周囲の腰曲輪の雰囲気は、犬居城によく似た印象がある。静岡古城研究会の考究の通り、武田氏による構築の可能性は十分有り得る様に見受けられた。

 お城評価(満点=五つ星):☆☆☆
 場所:http://maps.gsi.go.jp/#16/35.037606/138.230740/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0l0u0t0z0r0f0
タグ:中世山城
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