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大久保城(栃木県塩谷町) [古城めぐり(栃木)]

DSCN8569.JPG←城地推定地の北側を流れる松川
 大久保城は、宇都宮氏の家臣大久保氏の居城である。大久保氏は、宇都宮氏の戦いの中でしばしばその名が見えている。1351年に足利尊氏・直義兄弟が争った観応の擾乱の一環で戦われ、直義党の桃井播磨守直常・上杉氏家臣の長尾新左衛門尉景泰の軍勢を宇都宮氏綱軍が撃破した上野国那波荘合戦の討死者の中に「大久保玄蕃藤原清秀」の名がある。1380年に小山義政の軍勢を迎え撃った裳原合戦では、宇都宮勢の中に「大久保蔵人」の名が見える。1585年に那須氏と激突した薄葉ヶ原合戦では塩谷氏の麾下に「大久保太郎吉宗」の名が見える。また大久保氏は、氏家町の今宮神社の頭役を勤仕していたと言う。

 大久保城は、松川西岸の平地に築かれていたらしい。大正6年以前には四周に3~4.5m程の土塁が廻らされ、西方に大手を構え、松川を天然の外堀としていたと言うが、現在は耕地化によって完全に湮滅している。その場所も既に明確ではないが、昭和20年代の航空写真に写っている松川の流路から、その場所を推定した(但し、確証はない)。GoogleMapに市の堀用水と書かれているのが松川で、現在の流路だとおそらくその南側にあったのではないかと思う。いずれにしても、現在では完全に失われた城である。

 お城評価(満点=五つ星):☆
 場所:https://maps.gsi.go.jp/#16/36.731421/139.895557/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1


戦国大名宇都宮氏と家中 (岩田選書「地域の中世」 14)

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