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上野北本城(長野県飯田市) [古城めぐり(長野)]

DSCN9438.JPG←耕雲寺南東に残る空堀
 上野北本城は、座光寺北本城とも呼ばれ、歴史不詳の城である。この地の国人、座光寺氏が築いた城と推測されているが、土豪の城にしては規模が大き過ぎ、隣接して築かれている上野南本城共々、その成立ちには謎が多い。

 上野北本城は、純然たる山城である上野南本城に対して、居館的な崖端城となっている。現在城の主要部は小学校や保育園の校地に変貌しているため、遺構はかなり失われている。往時は、主郭に当たる南曲輪、その東にある東曲輪、更にそれらの北西に北曲輪・西曲輪が配置され、耕雲寺境内が外郭として配されていたらしい。しかし前述の通り改変されてしまっているので、これらの曲輪間を分断していた空堀は殆ど残っていない。わずかに耕雲寺の南に堀状地形が残る程度である。この堀は、耕雲寺の南東では竹林の中に往時の規模を残している。また小学校敷地の南から東の斜面の山林内に、空堀・竪堀が残っている。南東部の堀は薮が激しく確認が大変であるが、辛うじてY字型の空堀・竪堀が確認できる。主郭南にも堀切・堡塁があり、堡塁上に祠が祀られていてここだけ薮払いされているので、比較的わかりやすい。この他、主郭の南端には古墳があり、大きな石室が開いている。もちろん校地には入れないので、これらの外周の遺構を踏査するにはフェンスの外を薮をかき分けながら進むしかない。あまり期待せずに訪城したので失望はなかったものの、薮の多い空堀には辟易した。
主郭南の堀切→DSCN9505.JPG
DSCN9470.JPG←東曲輪南東の竪堀

 お城評価(満点=五つ星):☆☆
 場所:https://maps.gsi.go.jp/#16/35.536688/137.855405/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1g1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1


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タグ:中世崖端城
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