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郷六御殿(宮城県仙台市) [古城めぐり(宮城)]

DSCN6197.JPG←御殿跡の標柱
 郷六御殿は、仙台伊達藩4代藩主綱村が造営した別荘である。1687年に郷六の地が地の利を得た佳境であることから、綱村は藩士上野市郎兵衛らに命じて築かせた。かつては総面積は約2haに及び、周囲には高さ3mの土塁と幅6mの外堀を廻らし、三層の楼閣や御蔵・御留守宅・馬場などがあったと伝えられる。梅の古木なども植えられて、別名「楽寿園」とも呼ばれたと言う。

 郷六御殿は、広瀬川曲流部の西岸の段丘上に築かれている。現在は宅地と畑に変貌しており、民家脇の標柱と井戸跡が残る以外は、遺構は完全に湮滅している。しかし古い航空写真を見ると、広大な長方形の屋敷跡が確認でき、北・西・南を囲む堀跡が明瞭に残っていたことがわかる。広さはすぐ近くにある郷六館の4倍以上あり、かなり広大な屋敷でさすがに大藩伊達家藩主の別荘であっただけのことはある。1970年代初頭までは遺構が残っていたが、東北自動車道・宮城仙台ICの建設で遺構の西部が破壊され、その後の宅地化で遺構は完全に湮滅したらしい。ちなみに標柱と井戸跡があるのは、屋敷地の外側である様だ。
 尚、南西にある大梅寺に御殿の一部が移築されて現存しているとのことなので、機会を改めて訪問してみたい。

 お城評価(満点=五つ星):☆
 場所:https://maps.gsi.go.jp/#16/38.261527/140.817239/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1


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