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興野城(栃木県那須烏山市) [古城めぐり(栃木)]

DSCN8928.JPG←西斜面の堀と帯曲輪
 興野城は、下野の名族那須氏の庶流興野氏の居城である。那須氏が室町時代に上那須・下那須両家に分裂した際、下那須家の当主となった那須資重の子資持の次男持隆が、興野・大沢村に領地を与えられ、1472年に興野氏を称し、7人の家来と共に興野城を築いて移ったと言う。築城当時は味城館と称し、後に「内曲輪・外城」と合わせて3館を構えていたとされる。1590年の那須氏改易によって廃城となった。

 興野城は、下那須氏の居城烏山城から那珂川を挟んだ対岸の河岸段丘上に築かれている。ちょうど興野大橋が架かっている場所にあり、そのため県道が城内を貫通して破壊を受けている。『那須の戦国時代』の縄張図によれば、南北に細長い三角形をした城であったらしく、現在は畑や宅地に変貌している。城の北端に堀切を兼ねたと思われる谷があり、その南側の小道脇に土塁と腰曲輪が残っている。あとは平場だけなので遺構は明確でないが、西斜面に堀を穿った帯曲輪があり、これも城の遺構と思われる。ただ堀と言うより溝に近い形状なので、本当に遺構なのかどうか、少々悩ましい。また城の南端部は宅地化で大きく様変わりしているので、どこまで城域だったのか、はっきりしない。かなり残念な状況である。

 お城評価(満点=五つ星):☆☆
 場所:https://maps.gsi.go.jp/#16/36.667240/140.164196/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1g1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1


中世の下野那須氏 (岩田選書 地域の中世)

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  • 発売日: 2017/06/01
  • メディア: 単行本


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