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太田本郷城(富山県富山市) [古城めぐり(富山)]

DSCN8075.JPG←屈曲する堀跡らしき水路
 太田本郷城は、上杉氏によって築かれた城である。1572年、上杉謙信の部将河田長親が一向一揆に備えてこの地に陣を張ったのが初見で、翌年謙信が富山城に拠る一揆勢を包囲した際に築いた向城群の一つであったとされる。これが実質的な城の始まりと考えられている。1578年に謙信が急死すると、その動揺の隙を突いて織田方が飛騨方面から越中に侵攻を開始した。9月24日、織田方の部将斎藤利治が尾張・美濃の織田軍を率いて侵攻すると、津毛城の上杉方城将椎名小四郎(長尾景直)・河田長親は戦わずして津毛城を退去し、今泉城に撤退した。上杉勢が退去した津毛城には織田方の部将神保長住が入城し、利治は太田本郷城に陣を敷いた。そして利治は、今泉城にいる河田・椎名ら上杉勢を攻め、10月4日に月岡野で上杉勢を破った。

 太田本郷城は、円光寺を含む一帯にあったとされる平城で、車道脇に城址碑と解説板が立っている。平成3年と平成12年に実施された発掘調査の結果、2本の堀跡が確認され、南北2郭以上で構成されていたと推測されている。現在残っているのは外堀跡だったと思われる屈曲した水路だけで、その他は畑・駐車場、円光寺の境内となって遺構は湮滅している。早くに失われた城で、残念な状況である。

 お城評価(満点=五つ星):☆
 場所:https://maps.gsi.go.jp/#16/36.660062/137.243335/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1g1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1


戦国革命

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