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摩頂山城(富山県氷見市) [古城めぐり(富山)]

DSCN8560.JPG←西側の二重堀切の内堀
 摩頂山城は、歴史不詳の城である。谷を挟んで守山城と対峙する位置にある。また両城は尾根伝いに繋がっており、この尾根には二上山城、摩頂山南砦などが存在する。これらのことから、守山城の支城または付城など、守山城に関連する城であった可能性も考えられる。

 摩頂山城は、標高254mの摩頂山に築かれている。山頂の主城部の他に、周辺尾根の広い範囲に遺構が散在する広域の城であるが、佐伯哲也氏が指摘している通り求心性の乏しい縄張りである。南中腹には弘源寺があり、城のすぐ側まで車道が通っているので、訪城はたやすい。山頂部は東西に長い細尾根となっており、そこに城の中心部がある。細尾根は中間部を堀切で分断しており、そこから東側が主郭群である。主郭群は2~3段の平場で構成されているが、土塁は見られない。急峻な北側以外の三方を腰曲輪で囲んでいる。また堀切の西側は細尾根の曲輪で居住性はほとんどない。南側下方には主郭群の下から続く腰曲輪がある。その他にも平場群が周囲に見られるが、竹林になっているので改変の可能性が捨てきれない。これら主城部の西側は中規模の二重堀切で分断されている。またその北西下方には腰曲輪と二重竪堀が残っている。更に西の下方にも腰曲輪1段と竪堀があるようだが、未踏査である。
 一方、主城部から南に伸びる2本の尾根の先に遺構がある。この内、東の南尾根にある曲輪群だけ途中まで確認した。この南尾根曲輪群は2本の堀切を穿ちながら段曲輪群を展開している。ずっと降った先にもそこそこ大きな堀切があるようだが、結構竹薮が酷いのでパスした。
 主城部の東中腹にも車道脇に遺構がある。この東郭群は、墓地がある平場の先に幅広の土塁が築かれ、その下に幅広の空堀と土壇状の腰曲輪がある。畝状空堀はないが、摩頂山南砦とよく似た遺構である。
 車道を挟んで北東の小峰にも遺構がある。この北郭群は、細尾根の基部に土橋を削り残した竪堀を両側に穿ち、その上の小峰に大穴のある物見台が築かれている。この穴は櫓などの建物地下室の跡だろうか?周囲には猫の額ほどの小さな腰曲輪が築かれ、東尾根には二重堀切が穿たれている。この二重堀切の南側は竪土塁・竪堀が長く下っている。東尾根はその少し先にも堀切があって城域が終わっている。この最東部の堀切も南に長く下っている。
 以上が摩頂山城の遺構で、ほぼ全域が竹薮となっていて、少々遺構の確認がし辛いのが難である。おまけに遺構が散らばっているので、体力温存と時間の制約で踏査しなかった遺構もあることをお断りさせていただく。
主郭群の段差→DSCN8591.JPG
DSCN8624.JPG←南尾根曲輪群の堀切

 お城評価(満点=五つ星):☆☆
 場所:https://maps.gsi.go.jp/#16/36.796510/137.010455/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1g1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1


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タグ:中世山城
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