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犬甘城(長野県松本市) [古城めぐり(長野)]

 犬甘(いぬかい)城は、元は国衙侍所の武士で、小笠原氏が信濃守護として入府後は小笠原氏に従い、最後は家老にまでなった犬甘氏が築いた城といわれる。小笠原長時が武田信玄に追われた後も、犬甘氏は居城の犬甘城で抵抗を続けたが、結局衆寡敵せず落城したという。
 城跡は現在、城山公園となっているため、例によって遺構がわかりづらくなっている部分がある。しかし、連郭式に曲輪が配置され、曲輪間を堀切で分断している基本構造はそのまま残っているので、家族連れが遊びがてらに見る城としては申し分ないレベルであろう。堀切はさほど大きくは無く、城の東側は公園の広い緩斜面となっていて、要害性があるようにはあまり見えない。もしかしたら東の緩斜面には、居館があったのかもしれないが、遺構は無く想像の域を出ない。城の西側は奈良井川に面した急斜面になっているので、こちらの防御性はかなりのものがあったと思われる。
 この城にある展望台は見晴らしがよく、松本盆地を一望でき、眼下に松本城天守、さらに向こうには小笠原氏の本拠林城を見ることができる。その価値は戦国時代でも同じであったろうから、林城などと連携して松本一帯を押さえる重要拠点だったのだろう。

←曲輪間の堀切
 なお犬甘氏は信濃が武田氏に奪われた後も流浪する小笠原氏に従い、武田氏滅亡後に小笠原長時の三男貞慶が大名に復帰すると引き続き家老として重きをなし、最後には小笠原氏の豊前小倉への転封にも従って移っていった。

 お城評価(満点=五つ星):☆☆
 場所:https://maps.gsi.go.jp/#16/36.246471/137.954507/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1
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